株式会社デュアルタップのマンショントリビア

マンションに関する雑学や豆知識などを紹介していきたいと思います。株式会社デュアルタップ

不動産の表示に関する公正競争規約

不動産のチラシに記載される情報やその記載方法などを定めたルールとして「不動産の表示に関する公正競争規約」というものがあります。

これは、不動産業界が自主的に定めたもので、公正取引委員会の認定を受けていて、不動産広告のルールとなっています。

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現実問題として、広告というもの自体が効果的な販売促進手段ということもあり、どうしても虚偽的であったり、誇大的に表現しがちになります。

消費者としても情報を収集するための手段としては、新聞折り込みチラシや新聞内の広告、ダイレクトメ-ルや物件情報誌など、また近年ではインタ-ネットなどがあります。

特に、「第8章 不当表示の禁止」においては、不当な二重価格表示に始まり、おとり広告や不当な比較広告など合わせて75項目も挙げられていて、しっかりと消費者を守ろうとする意思が反映されています。

第8章 不当表示の禁止
第1節 不当な二重価格表示(第20条)
第2節 おとり広告(第21条)
第3節 不当な比較広告(第22条)
第4節 その他の不当表示(第23条)
  • 取引態様(第1項第1号)
  • 物件の所在地(同第2号)
  • 交通の利便性(同第3号~同第5号)
  • 各種施設までの距離(同第6号)
  • 団地の規模(同第7号)
  • 面積(同第8号)
  • 建物の間取り・用途(同第9号~同第11号)
  • 物件の形質(同第12号~同第28号)
  • 利用の制限(同第29号~同第31号)
  • 設備・生活関連施設(同第32号~同第37号)
  • 環境等(同第38号~同第41号)
  • 写真・絵図(同第42号・同第43号)
  • 価格・料金(同第44号~同第50号)
  • 価格以外の取引条件(同第51号~同第57号)
  • 融資等の条件(同第58号~同第60号)
  • 事業者の信用(同第61号~同第68号)
  • その他の事項(同第69号~同第75号)

しかしながら、この規約も完全なものではなく、「第4章 必要な表示事項」の「第1節 必要な表示事項 第8条」には

事業者は、規則で定める表示媒体を用いて物件の表示をするときは、物件の種別ごとに、次に掲げる事項について、規則で定めるところにより、見やすい場所に、見やすい大きさ、見やすい色彩の文字により、分かりやすい表現で明りょうに表示しなければならない。

とあるのですが、現在でもチラシに掲載されている、物件の所在地、規模、形質や価格などは、恐ろしく小さな文字で表記されたままであったります。

まぁ、これは「見やすい場所に、見やすい大きさ、見やすい色彩の文字により、分かりやすい表現」という部分がとても曖昧であることが挙げられますし、実は「表示規約施行規則」には、規約に規定する「見やすい大きさの文字」として7ポイント以上の大きさの文字による表示というものが定められているのです。

7ポイントが見やすいというのが、無理がありますよね・・・。
そもそも7ポイントをミリ単位に直すと、正確には2.46944ミリ、つまりは2.5ミリ。

これを見やすいと思うのは、もう売主側の人間しかいませんよね。

売りたい気持ちはわかるのですが、せっかく規約を作るのであれば、消費者目線に立ったものを作成してほしいものです。

建物の地震対策について

日本は地震が多いということは周知の事実ですが、なんとその回数は1年間の平均で5000回以上となっていて、世界中で起こる地震の約10分の1が日本で発生しているのだそうですよ。

ですので、日本の建築技術は地震をどのように耐えるのかが重要となっていて、現在の建物の地震対策としては、「耐震」「免震」「制震」の3つに大別することができます。

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文字通り読み解くとすれば、「耐震」が地震に耐える、「免震」が地震を免れる、「制震」が地震を制するとなりますが、具体的にはどのようになっているのかを勉強してみましょう。

まず、「耐震」というのは、柱や梁、壁などのの構造部材とその配置によって、建物に対して強度を与え、揺れに耐える方法で、これは明治時代から研究され続けています。 また、3つの中でも一番コストがかからずに済みます。

「免震」は、1970年頃から技術開発が進められ、1995年の阪神淡路大震災以降に採用されることが多くなっています。 特徴としては、地震による損傷がほとんどないことから「長寿命建築」ともいわれていて、役所や病院など公共性の高いビルにはよく採用されています。 コスト面で言えば、「免震」「制震」ともに「耐震」と比べると3%~10%かかってしまうのですが、「免震」の場合は、さらに装置や部材などの定期点検が義務付けられています。

「制震」についても「免震」と同じく、阪神淡路大震災から採用されることが多くなってきて、1960年頃から研究されています。 とはいえ、こちらは、地震による揺れに加え、風による揺れに対しても対応していることから、超高層ビルなどの風の影響を受けやすい建物に採用されています。

一物四価(4つの土地の価格)

土地の価格には「一物四価(いちぶつよんか)」といって「実勢価格」「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の4つの異なる価格があります。

普段買うモノにおいては「メーカー希望価格」と「実売価格」という2つの価格があるのは理解しやすいのですが、さすがに4つの価格となると、「何の意味が???」なんて思ってしまいますよね。

まず、先程の「実勢価格」「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の差なのですが、一般的には、実際の取引価格となる「実勢価格」を基準とすると「公示価格」は、「実勢価格」とほぼ同じぐらいか、9割程度と考えられていて、「路線価」が8割程度、「固定資産税評価額」が7割程度となっています。

まず、「公示価格」なのですが、これは国土交通省が、その年の1月1日時点のデータを基に全国の土地価格の目安として毎年3月下旬に発表しているもので、主な役割としては、一般の土地の取引に対して指標を与え、不動産鑑定の規準となっています。

この公示地価は、国土交通省のWebシステムを利用してかんたんに参照できます。

「路線価」なのですが、市街地的形態を形成する地域の路線または、不特定多数が通行する道路に面する宅地の1平方メートル当たりの評価額のことで、この路線価は毎年変わり、7月1日に全国の国税局・税務署で公表されます。

「固定資産税評価額」は、市町村が所有者に対して固定資産税を課税するために参照しているもので、先程の4つの価格の中で一番安くなっているのは、固定資産税を少しでも安くするということが配慮されています。

ちなみに固定資産税評価額は、3年に1度、評価替えが行われることになっています。