株式会社デュアルタップのマンショントリビア

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定礎の秘密

建物の入口近辺に「定礎」というプレートがありますね。 よく目にするわりには、この「定礎」がなんなのかを知っている人は少ないと思います。

この「定礎(ていそ)」というのは、建物の土台となる礎石(建造物の礎となって柱などを支える石)を定めることで、もともとは西洋建築のコーナーストーンに由来しているそうで、建物の基準となる石を置くセレモニーのことを定礎式といい、本来は建築初期の段階で行われていました。

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この定礎式というものは、基礎工事着手にあたり選定の柱位置の基礎に定礎箱を埋め、礎石で蓋をするという儀式だったのですが、明治以降は、近代建築の変遷と共に、建物の仕上げの時期に行うことが一般的になっています。

現在では、建物の入口周辺に御影石等を使用し「定礎」の文字と竣工日を入れるのが一般的で、多くの建物では、南東側にあることが多いですね。

また、定礎石の中には銅製の定礎箱があり、これが一種のタイムカプセルのようなものになっており、そこには氏神のお札、建築図面、建築主や関係者の名前が書かれた銘板などのほか、定礎式が行われた日の新聞や流通している硬貨一式、その他話題になっているものなど、後から開けて建築当時を偲べるようなものが入れられています。

ですので、銀座のソニービルの取り壊しの際には、定礎箱から何が出てくるのか楽しみですね。 (もっとも話題にはならないとは思いますが・・・)

ちなみに、日本ibmの旧本社ビルが取り壊しになったときには、定礎箱の中からは、当時の新聞や設計図、入社案内や竣工時の写真や関係者の名前が記載された真鍮の板などが出てきたのだそうです。

この「定礎(ていそ)」をコップのフチ子で有名な奇譚クラブカプセルトイとしてまさかの商品化で、2016年8月上旬発売予定するそうです。

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